年俸制と月給制の違いは?募集要項で必ずチェックすべき4つのこと | 本命ナビβ 2019 | 本命の企業への近道になる新卒向け就職活動サイト
2018年7月5日

年俸制というとなんとなくかっこよいイメージがありますが、内訳がどうなっているのかわかりにくい部分がありますよね。実は残業代やボーナス(賞与)が年俸額に込み込みだったりして、月額に換算してみると「あれ?」となってしまうケースもあります。
年俸制になることで、月給制とは具体的にどこが違ってくるのか、そして募集要項で必ずチェックすべき4つのポイントについて紹介します。

月給制と年俸制の違い

月給制も年俸制も、一定期間につき一定額が支払われる固定給制の形態の一つです。アルバイトでよくある時給制や日給制も、固定給制に分類されます。固定給制に対する制度として、歩合給制があります。

固定給制と歩合給制
歩合給制は、成果に応じて賃金が変わる制度です。歩合給制にも2つのパターンがあり、成果報酬のみの完全歩合制(フルコミッション)と、固定給に上乗せして支払われる歩合給制があります。
完全歩合制(フルコミッション)は、賃金の保障が定められている労働基準法にはそぐわない制度なので、一般的には業務委託契約などで結ばれる報酬形態です。
一方で、固定給と併用して用いられる歩合給制は、通常の雇用関係でもみられる給与形態です。成果の見えやすいセールス系の職種やタクシーのドライバー職で採用されていることが多い仕組みです。

月給制

月給制とは、賃金を月あたりでいくらと定める方法をいいます。月にどれくらいもらえるのかがわかりやすく、日本ではもっともなじみのある給料形態です。
例えば月給25万円の場合には、月々25万円を基準に、残業代、各種手当、社会保険料控除などがプラスマイナスされて支給額が決まっていきます。
残業制度や各種手当の具体的な内容については、各企業の就業規則で定められていますので、企業ごとに異なってきます。ただし月給額と実際の支払額とのギャップがそこまで大きくなることはないでしょう。
また、月々の賃金以外にも、賞与(ボーナス)が発生することがあります。よくあるのは、基本給○ヶ月分などの基本給連動型賞与です。または、企業や個人の業績によって変動する業績連動型賞与もあります。決算期に節税対策として行われる決算賞与というものもあります。
賞与の有無や詳しい内容についても、企業ごとの就業規則によって決まります。賞与の支給については労働基準法では定められていませんので、制度がない企業もあります。

年俸制

年俸制とは、賃金を年あたりでいくらと定める方法をいいます。年に一回400万円が一括で支払われるわけではありません。日本には、労働基準法第24条に、月に少なくとも1回以上、決まった日に賃金を支払わなくてはならないという決まりがありますので、年俸制であっても月給制と同様に、月に1回決まった日に、賃金が支払われることになります。ちなみに、アメリカでは2週間に1回、つまり月に2回払いが一般的だそうです。
注目すべきは、年俸額に賞与が含まれているかどうかで、月々の支払い金額が変わってくることです。例えば年俸400万円といっても、賞与の扱いによっては月額の賃金が10万円近く変わってきたりします。残業代についても、予め基本給の中に一定時間分の残業代が含まれる、みなし残業制を取っていることが多いのが特徴です。
年俸制だから賞与や残業代がでないというわけではなく、予め含まれているケースが多いのです。

募集要項でチェックすべきこと

年俸制も月給制も、年にいくら、月にいくらという単位で賃金を決める方法にすぎません。下記の比較表のように、残業や賞与については、就業規則で別途取り決められています。

月給制と年俸制の比較

月給制
例:月給25万円
年俸制
例:年俸400万円
賃金の決め方 月額で25万円 年額で400万円
支払方法 毎月1回以上 毎月1回以上
月額給 25万円 賞与が含まれるかによる
例:400÷12(14・16)万円
残業代
(時間外労働)
就業規則の定めによる
(必須・労働基準法に準拠)
就業規則の定めによる
(必須・労働基準法に準拠)
賞与 就業規則の定めによる
(なくてもよい)
就業規則の定めによる
(なくてもよい)
各種手当 就業規則の定めによる
(なくてもよい)
就業規則の定めによる
(なくてもよい)
昇給・降給 就業規則の定めによる
(なくてもよい)
就業規則の定めによる
(なくてもよい)
欠勤の扱い 就業規則の定めによる
例:(25万÷月平均所定労働日数)を月の支給額から差し引く
就業規則の定めによる
例:(400万÷年間所定労働日数)を月の支給額から差し引く
有給 あり
(必須・労働基準法に準拠)
あり
(必須・労働基準法に準拠)

募集要項でチェックすべきなのは年俸額や月給額の内訳です。特に年俸制の場合、賞与や残業代が予め含まれていることが多いため、月の金額が思ったよりも少ない、ということが起きやすいのです。
下記に、募集要項でチェックすべき内容についてまとめました。

固定残業制度(みなし残業)かどうか

一定時間分の固定残業代が月給や年俸額に予め含まれている、固定残業制度というものがあります。残業の有無にかかわらず、一定時間残業したとみなされるために、みなし残業ともいわれます。固定残業制度が採用されている場合には、必ず募集要項に明示されています。
募集要項には、月給25万円(時間外労働45時間分:6万円含む)というように表記されています。この場合には、月0~45時間までの残業代は25万円に予め含まれているということになります。
仮に残業時間0分でも、45時間フルで働いても、固定の6万円は必ず支払われるということです。45時間を超えた場合や深夜労働、休日労働を行った場合のみ、6万円とは別に割増手当が発生します。深夜労働や休日労働の割増手当について、詳しくはこちらを御覧ください。
このとき、月給の内訳は基本給19万円+固定残業代6万円ということになりますので、残業の時間給や基本給連動型の賞与は、基本給19万円を基準に算定されることになります。固定残業がとられている場合、月額賃金=基本給でないことに注意が必要です。
同じように、年俸制で固定残業制度が採用されている場合でも、募集要項には月あたりのみなし残業時間と固定残業代が明記されています。例えば、年俸額400万円(月額25万円のうち時間外労働45時間分:6万円含む)などと記載されています。

労働時間制度について

固定残業制度(みなし残業)だけでなく、労働時間制度によっても残業時間の扱いが変わってくるため、注意が必要です。
日本では、法定労働時間(1日8時間以内、週で40時間以内)を守った働き方が基本となりますが、これ以外にも、企業や職種の性質に合わせた様々な労働時間制度が認められています。特別な労働時間制度の例として、変形労働時間制やフレックス制、みなし労働制などがあります。
募集要項でチェックすべきは、裁量労働制がとられているかどうかです。裁量労働制とは、実際の労働時間関係なく、一定時間働いたとみなされる制度のことをいいます。みなし労働時間が発生する点ではみなし残業制度と似ていますが、裁量労働制の場合には、所定の労働時間を超えていても差額分の報酬が支払われません。
例えば、みなし労働時間が8時間と設定されていた場合、3時間働いても、10時間働いても、8時間働いたとみなされるのです。
残業代が発生するのは、元々のみなし労働時間を、8時間を超える時間で設定している場合(ほとんどない)や、深夜労働や休日労働を行った場合のみです。
ただし、裁量労働制が認められているのは、SEなどの一部の専門業務(19業務)の従事者や、企業の中枢部門で企画立案に携わっている人のみです。実際に取り入れている企業は、全体の3~4%程度です。
なお、裁量労働制の場合のみ募集要項への明記が必須になっているため、他の労働時間制度については必ずしも記載されているわけではありません。

賞与について

賞与は、残業とは異なり労働基準法で保障されている制度ではありませんので、有無は企業の判断に委ねられます。募集要項で確認してみましょう。
賞与の種類には、基本給○ヶ月分などの基本給連動型賞与、企業や個人の業績によって変動する業績連動型賞与、決算期に節税対策として行われる決算賞与があります。ふつう賞与というと、基本給連動型賞与が多いですが、大企業などでは基本給連動型賞与+業績連動型賞与が組み合わせて採用されていることもあります。
月給制の場合には、いずれの種類の賞与でも月給とは別に算定されて支払われます。しかし年俸制の場合は、年俸額に基本給連動型賞与が予め含まれていることが多いため、注意が必要です。
年俸400万円の場合を例に計算してみましょう。

【賞与が含まれていない場合の月額賃金】
400万円÷12ヶ月=33.33万円
賞与が年俸には含まれていない場合には、1ヶ月あたり12分の1の約33.3万円と月額換算することができます。年俸制で賞与が別途支給となるのは、業績によって支給額が変動する業績連動型での賞与支給が多いでしょう。

【賞与が含まれている場合の月額賃金】
年俸額に予め賞与が含まれている場合には、基本給の○ヶ月分などで決められる基本給連動型での支給となります。年に何回あるか、1回につき何ヶ月分なのかによって、年俸額を除する数字が変わってきます。
・賞与が年に1回2ヶ月分・・400万円÷14ヶ月 = 月28.57万円(賞与57.1万円✕1回)
・賞与が年に2回2ヶ月分・・400万円÷16ヶ月 = 月25万円(賞与50万円✕2回)
・賞与が年に2回3ヶ月分・・400万円÷18ヶ月 = 月22.22万円(賞与66.7✕2回)
基本給連動型の賞与が含まれる年俸のことを確定型年俸といいます。残業代の算定に用いる基本給には賞与額も含まれるという見解になっていますので、ふつう12で除して求められます。

上記のように、年俸制ではどれくらいの賞与が含まれるかどうかで、月額の支給額が大きく変わってきます。募集要項にある年俸額の内訳を確認してみましょう。

各種手当が含まれているかどうか

月給額や年俸額に、住宅手当、家族手当、通勤手当などの各種手当が含まれていることがあります。額に含まれているのか、別途支給なのか、募集要項で確認しましょう。

昇給制度

月給制では、3ヶ月や半年ごとに1回など、年に2回以上昇給のチャンスあることも多いですが、年俸制の場合には、制度の仕組み上、年に1回に限られてきます。成果主義と結び付けられることの多い年俸制ですが、年俸制だから給料が上がりやすい、というわけではないことに注意が必要です。
なお、昇給についても、労働基準法で定められているわけではありませんので、ない企業もあります。月の歩合給が大きく反映されるような職種であれば、賞与・昇格なし、ということもありえます。
賞与や昇格制度については、募集要項に明示が義務付けられている項目ではありませんが、大手の求人サイトでは標準的に設けられている項目なので、必ずチェックしましょう。

まとめ

職業安定法の改正により、平成30年から募集要項に明示しなければならない項目が増えました。面接ではなんとなく聞きづらい、給与や労働形態については、募集要項をみればおおよそのことを知ることができます。記載が義務付けられていない賞与や昇格についても、制度があれば企業にとってのアピールポイントになりますので必ず載せているはずです。逆に一切触れていないのではあれば、制度が存在しない可能性が高いでしょう。
入社後に、「思っていた待遇と違った」とギャップを感じないように、企業研究の際には、募集要項も入念にチェックしましょう。