これが真のブラック面接?意外なところに潜む「就職差別」に注意! | 本命ナビβ 2019 | 本命の企業への近道になる新卒向け就職活動サイト
2018年4月5日

「ご実家は何をしているの?」「座右の銘は何?」面接でこんなことを聞かれたことはありませんか?実はどちらも「就職差別」に繋がる質問であり、国から学生に問わないよう注意喚起されていることなのです。
企業には「採用の自由」がありますが、学生には基本的人権の一つである「職業選択の自由」が認められています。採用の自由は、基本的人権を犯してまで認められるものではありません。
就職差別とは、本人の能力とは関係ない別の要素で、採用や不採用を判断することです。今回は、一見無害に思える質問が、なぜ就職差別に繋がるのか、そしてその対応策について紹介します。

就職差別になる!?質問集

採用面接では、個人情報の保護や差別抑止の観点から、本人の適正や能力とは直接関係がない質問をしてはいけません。
選考には全く関係のない情報はもちろんのこと、直接的には採用基準にはしていないとしても、知ってしまうことで結果的に採用選考に影響を与えてしまうようなことを聞いてはいけません。具体的には、出自など本人には責任がないことや、信仰している宗教といった思想信条に関わることについての質問は、就職差別に繋がる可能性があります。面接官だからって何を聞いて良いわけではないのです。
意外と聞かれがち?な就職差別に繋がる質問について紹介します。

どこ出身?

一見何の問題もなさそうな質問ですね。ちょっとした世間話にも使われそうな話題です。しかし出生地や本籍地の情報は、本人の能力の有無とは関係なく、選考結果を左右されてしまう恐れのある事柄です。
「〇〇出身の人は採りたくない」「〇〇地域は治安が悪いからちょっと・・・」
そんな国や地域に対する偏見や差別は、残念なことに現実的に存在します。古い世代に多いかもしれませんね。表立った採用基準にこそできないため、世間話を装ってさりげなく聞き出して、該当地域であれば適当な理由をつけてお祈りメールを送るのです。

もちろんすべての企業がそうであるというわけではなく、特別な意図もなく出身地を聞いてくることもあるでしょう。しかし、もしも過去に退職になったとんでもない問題社員と同じ地域の生まれだったら?たまたまとはいえ、思わず採用を考え直してしまう可能性もないとは言い切れません。
企業は、本人の能力とは関係がないのに、回答の内容によって選考結果が変わる可能性のある質問は、最初からしないように努力すべきなのです。

ご実家は何をしているの?家族構成は?

家族の職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産なども、本人の能力とは関係ない情報であり、就職差別に繋がる恐れのある質問です。古い体制の企業では結構聞かれがちな質問であり、最近はあまり見かけませんが、古い形式の履歴書には家族構成欄が存在することもあります。 こちらも出身地と同様、選考には関係なさそうに思えますが、次のような意図がある可能性があります。

家族の情報を聞くのはなぜ?

家族の職業 競合他社や自営業ではないか。競合他社の場合、情報漏洩の恐れがある。自営業の場合、将来的に家業を継ぐために退職する可能性が高い。また母親が専業主婦であれば、介護の必要性が減る。など。
家族構成 将来的に親の介護が必要になるような家族構成(一人っ子、女性ひとり)ではないか。
家族の健康状態 親の病気で将来的に介護が必要にならないか。家族の容態次第で勤怠に影響が出るのではないか。
家族の学歴 親の能力(学力)は子供に影響すると考えている。学歴フィルターを親にまで広げている。
家族の経済状況 家柄や生活水準を把握するため。または金銭目的で情報流出を行わないか、会社へ損害を与えた場合の支払能力があるかなど。

上記はあくまで一例ですが、長く働いてもらうことを前提としている企業や、銀行や公務員など社会的な信用が求められる業種では把握しておきたい情報なのかもしれません。
いずれにせよ、本人の努力ではどうにもならないことであり、それを基準に能力を判断するのは公正ではないといえます。また、人によっては家庭の事情を聞かれたくないこともあり、聞かれること自体に精神的な苦痛を感じることだってあります。答えても答えなくても本来の実力を発揮できずに、結果的に落とされてしまうこともあるでしょう。
家族構成などは入社後の社会保険の手続などで必要な情報ですが、丁重に扱わなければならないものであり、選考時に世間話レベルで聞かれるべき情報ではないのです。

座右の銘は?尊敬する人物は?好きな本は?

もはや面接の定番ともいえる質問ですね。これらも意外に就職差別に繋がる事柄といわれています。
厚生労働省では、思想信条に関わることは本来自由であるべきであり、これを理由に採用の可否を決めることは公正な選考ではないと判断しているのです。 普段学生が何を考えて行動しているのか、その行動指針のようなものを知るために座右の銘を聞くことは、特別間違っていないようなことのように思えます。学生がどのように話を広げていくか、話に矛盾はないかを見極めるのにも、面接担当にとってはまあお手軽な手段であるともいえます。

とはいえ、受け取り方次第では就職差別になるのかもしれません。非常に極端な例ですが、武田信玄好きの面接担当に、その宿敵ともいえる上杉謙信を尊敬しているといえば、かなり個人的な感情で落とされてしまう可能性だってあります。明らかに個人の好き嫌いの問題であって、能力とは関係ないことです。そんな選考は確かに公正とはいえませんね。
ただしそれが武田信玄の歴史博物館の職員の採用面接だったら話が変わってきます。仕事の適正に関係してくるようなことであれば、質問として全く問題ないのではないでしょうか。

宗教は?支持政党は?

座右の銘と同じように、宗教や支持政党についても、本人の能力とは関係のないものです。自由に信仰または支持するべきものであり、面接でこれを聞き出したり、ましてや選考の結果に影響を及ぼしたりしてはいけません。

質問されてしまったら・・・

では実際に上記のような就職差別に繋がるような質問をされてしまったら、どうすればよいのでしょうか。

拒否をする

答えたくないことには答えなくても良いです。とはいえ、面接の場で質問を拒否することは雰囲気を悪くしてしまいかねない行為であり、勇気のいることでしょう。
しかし面接担当はその企業を象徴する人物です。そんな質問をするということはイコール社員を大切にしない企業であると考えて良いでしょう。それ以上選考に進まないことも賢明な選択肢です。

質問の意図を聞く

面接担当も他意なく質問したのかもしれません。素直に、どうしてそんな質問をするのかを尋ねてみても良いでしょう。就職差別を匂わせるような理由は言わないはずですので、回答すべき範囲を絞れる、または別の質問に変えてくれるかもしれません。真意を知ることはできないかもしれませんが、真っ向から拒否するよりは柔軟な対応といえます。
ただし何でもかんでも「意図は何ですか?」と聞くのはやめましょう。ただの冷やかしだと思われる可能性があります。

相談する

就職差別を受けたと思ったら地域のハローワークや労働局の窓口に相談しましょう。または大学の就職課を頼ってみるのも良いでしょう。嫌な思いをしたら一人で悩まずに誰かに相談してください。今後就職差別をなくすためには、学生自身の働きかけも大切です。

法で罰することはできる?

就職差別に繋がるような質問(情報収集)は、法に基づく指針により、本人の同意なしにはしてはならないことになっています。無理に聞き出すなどしてこれに違反すると、職業安定法に基づく行政からの改善命令が出されます。さらに改善命令にも違反すると、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる場合もあります。
行政は勝手に察知して罰してくれるわけではないので、被害を労働局やハローワークへ報告する必要があります。悪質な企業を抑制するためにも、前述の相談は大切なのです。
また、精神的苦痛を受けたことを理由に裁判を起こして、慰謝料の請求を行うこともできます。ただし訴えを起こす側が証拠を準備しなければなりません。明らかな差別発言を録音でもしていない限り、質問に差別の意図があったかどうかを証明するのは難しく、企業はいくらでも言い逃れできるでしょう。間違いなく学生と企業では分が悪いといえます。まずは然るべき機関(労働相談所、弁護士など)に相談した上で、勝てる見込みがあれば訴えを起こしてみても良いかもしれません。